成年後見・任意後見に関するご相談

2019年2月2日

成年後見制度 イメージ

成年後見制度とは?

 認知症の方、知的障がいのある方など、 判断能力が十分でない方の日常生活を、 ご本人の意思を最大限尊重しながら、支援していく制度です。

 判断能力が低下してくると、不動産の管理や処分、介護施設を利用する契約、医療・入院等の法律行為、現金や預貯金の管理などを自ら行うことが困難になったり、悪徳商法や強引なセールスに会わないかと不安になったりします。
 成年後見制度の利用によって、ご本人を代理して契約したり、財産管理することによって 支えていきます。

 成年後見制度は大きく二つの制度に分かれています。

 判断能力が十分にある間に、信頼することができる方と公正証書で予め契約しておく任意後見制度と、 すでに判断能力が低下している場合に利用する法定後見制度があり、さらに、法定後見制度には、後見 保佐補助の3つの類型があります。

法定後見制度の概要

   後 見  保 佐  補 助
対象となる方 判断能力が欠けているのが通常の状態の方 判断能力が著しく不十分な方 判断能力が不十分な方
申立をすることができる人 本人、配偶者、四親等内の親族、検察官など 市町村長
成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)の同意が必要な行為   民法13条1項所定の行為 申立の範囲内で家庭裁判所が審判で定める特定の法律行為
取消が可能な行為 日常生活に関する行為以外の行為 同上 同上
成年後見人等に与えられる代理権の範囲 財産に関するすべての法律行為 申立の範囲内で家庭裁判所が審判で定める特定の法律行為 同左

任意後見制度の概要


 任意後見制度は、十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になる場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(将来任意後見人となる方)との間で、自身の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書で結んでおくというものです。

 契約しておくことで、本人の判断能力が低下した後に、任意後見人が、任意後見契約で決めた事務について、家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督のもと本人を代理して契約などをすることによって、本人の意思にしたがった適切な保護・支援をすることが可能になります。

 任意後見制度を利用する場合、任意後見契約と同時に判断能力が低下するまでのケアとして「見守り契約」、「財産管理委任契約」を締結したり、「尊厳死宣言」を公正証書で作成するケースも多くあります。

本人がお亡くなりになった後のことのケアを目的として「死後事務委任契約」を締結したり「遺言」をしておくことを専門家としておすすめしております。

成年後見制度でできること

成年後見制度でできることは、以下のものです。

財産管理

 財産管理というのは「財産の現状を維持すること」、「財産の性質を変えない範囲で利用し、改良すること」、「財産を処分すること」を含み、財産に関する一切の法律行為及び事実行為としての財産管理を含みます。

財産管理の例
登記済み権利証・実印や銀行印・預貯金通帳・有価証券等の重要な証書等の保管
年金・賃料その他の収入の受領・管理
金融機関との取引
居住用不動産の維持・管理
日常生活での金銭管理
本人に必要な衣類や生活用具の購入
その他の財産の維持・管理・処分


 

身上監護

 身上監護とは、生活・療養看護に関する事務を処理することを指します。

身上監護の例
病院等の受診、医療・入退院等に関する契約・費用の支払い
本人の住居に関する契約・費用の支払い
住居を決定するための情報収集・本人の意思確認
住居の維持、快適な住環境保持のための状況把握
福祉施設等に関する(入退所や通所)契約・費用の支払い
福祉施設等を決定するための情報収集・本人の意思確認
福祉施設等へ定期的に訪問し、処遇に対する監視・監督を行う
福祉施設等を利用する本人の意思・苦情等の聴取
介護・保健・福祉サービスに関して必要な申請・契約・費用の支払い
本人をとりまく支援関係者との検討・状況確認・連絡・調整
身上監護業務遂行上必要な親族等との連絡調整
教育、リハビリ、就労、余暇活動、文化的活動等、社会参加に関する契約・費用支払い
その他契約の履行に関する追跡調査
 

その他

その他以下のようなものもあります。

その他の例
被後見人が相続人となる場合の相続手続き
手続き上の異議申立
裁判手続き(法定後見の場合)
保佐・補助で付される代理権や任意後見契約の代理権の場合は、訴訟委任の代理
精神保健福祉法上での「保護者」として医療保護入院に関する同意権の行使

成年後見制度でできないこと

成年後見制度でできないことは、以下のことになります。

本人の日用品の購入に対する同意・取消

 自己決定の尊重の趣旨から、ご本人が生活するのに必要な食料品や嗜好品・日用品等の購入は、成年後見人等の同意は不要であり取り消すことはできません。

事実行為

 事実行為とは、食事や排泄等の介助や清掃・送迎・病院への付き添い等の行為をいいます。
 成年後見人等は、本人にこれらの必要が生じた場合、成年後見人等自らが事実行為をすることはできません。高度な専門知識を必要とするので、成年後見人等が介護等の専門家でない限り、ご本人様のためにも介護保険やその他の制度を利用し、ヘルパー等の専門家の手にゆだねることになります。

医療行為への同意

  成年後見人等に医療行為への代理権があると思われがちですが、成年後見人等には医療行為への代理権はありません。これらの判断は親族の方にゆだねることになります。親族がいらっしゃらない場合は、医師の判断にゆだねることになります。

身元保証人・身元引受人、入院保証人等

 成年後見人等の業務では、成年後見人等自身が、身元保証人・身元引受人、入院保証人等になるのではなく、緊急連絡先としての対応、入院費用の支払い及び身上監護の事務を行うこととされています。

居住する場所の指定

 成年後見人等には福祉施設等の入退所に関する契約を締結する権限はありますが、あくまで本人の同意を前提とし、強制はできません。原則として、成年後見人等は、居住場所を指定できませんが、緊急の場合や、本人の判断能力の状況によって、やむを得ず居住場所を決めなければならないことはあります。

さいたま家庭裁判所川越支部の管轄する地域

川越市、富士見市、坂戸市、鶴ヶ島市、ふじみ野市、所沢市、狭山市、入間市
入間郡の内
三芳町
比企郡の内
川島町

※埼玉県内のその他の地域については、裁判所の埼玉県内の管轄区域表でご確認ください。

行政書士ができること

成年後見制度の利用に関する総合的なご相談に応じます。

具体例としては・・
1. 親族関係説明図や財産目録の作成、全部事項証明書など制度を利用するにあたっての必要書類の収集

2. 支援をする人になること(「成年後見人」に就任すること)

3. 任意後見契約の文案の作成から、公正証書で作成される場合の公証人との連絡調整、財産管理、任意後見開始に至るまでのサポート

4. 任意後見契約の他に財産管理等委任契約、死後事務委任契約等も作成可

5. 必要に応じて、弁護士や司法書士など他士業へのご紹介

 

Posted by 栗原誠