宅建業免許申請

2018年8月17日

宅地建物取引業 イメージ

宅地建物取引業とは

宅地建物取引業(一般にいわれている不動産業)とは、不特定多数の人を相手として、宅地又は建物の売買や貸借する業務を反復・継続して行うことを言います。

これらの業務を遂行するためには宅地建物取引業の免許が必要です。
自己の所有地を不特定多数の者に分譲する行為は、業者が仲介するしないにかかわらず、宅地建物取引業(以下、宅建業)となります。

宅建業を営む場合、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受ける必要があります。

宅建業の許可が必要な業種

自己の物件他人の物件の代理他人の物件の媒介
売買
交換
賃貸×

※ 不動産賃貸業、不動産を管理するメンテナンス業、家賃の徴収代行などの事業は、宅建業法の規定外です。

宅建業免許の種類

宅建業の免許は、法人でも個人でも申請することができます。

免許の種類は、免許権者が国土交通大臣である大臣免許と知事が免許権者である知事免許があります。

免許の種類及び範囲は以下の通りです。

免許権者2つ以上の都道府県に事務所
を設置し、宅建業を営む場合
1つの都道府県に事務所を
設置し、宅建業を営む場合
国土交通大臣

都道府県知事

免許の有効期間と更新

免許の有効期間は、大臣免許、知事免許いずれも5年間となっています。
許可の有効期間は5年間です。5年毎に更新申請をしなければなりません。

この有効期間は、免許を受けた日の翌日から起算して5年後の免許の応答日をもって満了となりますが、この場合、有効期間の最終日(免許満了日)が休日であっても、満了日をもって免許は失効し、満了日の翌日からは宅建業を営むことができなくなります。

引き続き宅建業を営もうとする場合は、免許の有効期間が満了する日の90日前から30日前までに、免許の更新申請を行うことが必要です。

※ 免許の更新申請をしてから従前の免許の有効期間が満了するまでに免許が更新されなくても、更新申請中は引き続き従前の免許が有効となります。

申請許可の要件

欠格要件

1法人の役員等(代表取締役、取締役、監査役、顧問、相談役等)、個人事業主、支配人は成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者に該当しない
2申請者(法人、法人の役員等、個人事業主、支配人)は、宅地建物取引業に関し、不正又は不誠実な行為をする恐れはない(暴力団等の関係者でない)
3営業所ごとに専任の宅建士を配置できる。(営業所の宅建業に従事する者5人ごとに1名以上の専任の取引士が必要)
4申請者は、次の各号に該当しない。あるいは当該処分等を受けた日又は刑の執行を終わった日から5年以上経過している。
ア 免許不正取得、悪質な不正行為、業務停止命令違反による免許を取消された。
イ 前記に関する疑いにより聴聞の公示がなされた後に廃業等の届出を行った。
ウ 禁錮以上の刑、又は宅建業法違反又は刑法(傷害、脅迫等)などの罪を犯し、罰金刑に処せられた。
エ 免許の申請前5年以内に、宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした。

申請者が法人の場合

商業登記簿謄本の事業目的欄に、不動産の売買、賃貸及びその仲介などの宅地建物取引業を営む内容が登記されていることが必要です。

事務所の要件

【法人の場合】

本店または支店として商業登記されたもの。
継続的に業務を行うことができる施設を有し、かつ、宅建業に係る契約を締結する権限を有する使用人が置かれている場所です。

※ 従たる事務所の名称を「○○支店」として免許申請する場合は、商業登記を必ず行います。従たる事務所の商業登記を行わない場合は、その他の名称(○○営業所、○○店等)を用いて申請することとなります。

【個人の場合】

継続的に業務を行うことができる施設を有し、かつ、宅建業に係る契約を締結する権限を有する使用人が置かれている場所です。

事務所の適格性も審査されます。

申請の際事務所の写真を添付します。最近は事務所の独立性を厳しく審査しています。行政庁によっては申請に必要な写真のアングルまで指定されており、現地調査がある場合もありますので、事務所を探す際には事務所の適格性にについては注意が必要です。

1つの部屋を他の者と共同で使用する場合も原則として認められません。
ただし、一定の高さ(180cm程度以上)のある固定式のパーティーションなどにより仕切られ、他の事務所などの一部を通らずに、該当事務所に直接出入りができるときは、独立性が保たれていると認められる場合があります。

区分所有建物などの一室を事務所として利用する場合には、その区分所有建物の管理規約上、事務所としての使用が認められており、かつ、居住部分と区別され独立性が保たれている必要があります。

専任の宅地建物取引士を置く

専任の宅地建物取引士は、1営業所につき、業務に従事する者5人に1人以上必要です。(宅建免許保持者で、宅建士資格登録及び資格者証の交付を受けている者)案内所などには1人以上必要です。

専任の宅建士には、「常勤性」と「専従性」が要求されます。他の法人の役員を兼任したり、会社員や公務員など他の職業に従事したりすることは原則的にできません。
また、通常の方法では通勤できないような場所に住んでいる場合も「専任」とはみなされません。

政令使用人を置く

「宅建業に係る契約を締結する権限」(通常、支店長、営業所長などが該当します)を有する従事者のことです。

申請者である代表取締役等が常勤する事務所には、政令使用人を置く必要はありません。

従たる事務所で、申請者である代表取締役等が常勤していない事務所には、政令使用人を置く必要があります。政令使用人はその事務所に常勤することが必要です。

宅建業免許申請手数料(役所に納める額)

申請手数料の区分

免許の種類申請区分
新規更新
国土交通大臣免許90,000円33,000円
都道府県知事免許33,000円33,000円

供託手続き

宅建取引は高額取引ですので消費者に損害を与えた場合、消費者の被害を最小限に抑えるため、宅建業法は、営業保証金制度と弁済業務保証金制度の二つの制度を設けています。

営業を開始するには下記の二つの内どちらか選択して手続きを済ます必要があります。

営業保証金を供託する場合

法務省が管轄する本店の最寄りの供託所に主たる事務所分として1,000万円を供託します。(従たる事務所がある場合は1事務所ごと500万円を供託)

弁済業務保証金分担金を納付する場合

下記記載のどちらかの保証協会に加入し、主たる事務所分として60万円を納付します。(従たる事務所がある場合は1事務所ごと30万円を納付)

国土交通大臣の指定を受けた保証協会には2団体があります。
保証協会はどちらか一方にしか加入できません。

ハトさんマークの (公社) 全国宅地建物取引業保証協会

ウサギさんマークの (公社) 不動産保証協会

どちらも弁済業務保証金分担金以外にも入会金や年会費が別途かかります。1本店(営業所)の場合でも初年度だけでも約160万円程度かかります。時期により入会金減額キャンペーン等もしている場合がありますので、入会する前に比較検討することをお勧めします。

宅建業免許の申請から営業開始できるまでのおおまかな流れ(知事免許申請・保証協会を利用する場合)

宅建業免許申請書類を役所に提出してから、宅建業免許証を受けるまで、知事免許では約2~3か月程度かかります。
免許申請の手続きの流れについてざっとおおまかにご案内いたします。

1.宅建業免許申請書・保証協会入会書類の準備(営業保証金の供託を選択しないとき)

宅建業免許申請に必要となる書類を作成するとともに、添付書類として定められている公的証明書類を収集します。

申請に必要な添付書類を準備します。役員等の身分証明書は本籍地から取り寄せる書類ですので、直接取りに行くことができない場合もあります。

そうした場合は郵送で取り寄せることができますので、本籍地の市区町村のホームページで身分証明書の発行手数料を確認して、郵便局で料金分の定額小為替を購入して、申請書と返信用封筒とともに郵送します。

新たに会社を設立して宅建業を営む場合は、会社設立手続きも並行して準備し宅建業免許申請までに会社設立登記を完了させておきます。また、役所に提出する書類作成と並行して、保証協会の入会書類も準備します。

2.宅建業免許申請をします(窓口申請の場合)

行政窓口にて免許の申請を行います。事業についていろいろと質問されることがありますので、事情に明るい方が申請に行きましょう。

申請が受け付けられると手数料の支払いが必要ですが、手続きにより支払方法が指定されています。

県の証紙を貼るべきところを収入印紙を貼ってしまったり、登録免許税を税務署に納付すべきところを証紙を貼ってしまったりしないよう、手数料の支払い方法は事前に確認します。

3.行政庁での審査

知事免許の場合、行政庁の申請期間は30日~40日程度であることが一般的です。

原則的に役所による事務所調査は行われませんが、事務所に電話がかかってくることもありますから、事務所の電話はつながる状態にしておきましょう。

4.免許通知が送られてきます。

申請者の事務所本店宛に、役所から免許通知が送られてきます。到達確認のため、このハガキは転送できない決まりになっています。免許通知が送られてきてもこの段階では、まだ営業はできません。

5.免許通知が届いたら保証協会の入会手続きをします

保証協会に加入する場合には、役所の免許手続きが完了次第、すぐに保証協会の入会手続きを進めましょう。(入会する協会・支部により対応が分かれる場合があります)

6.営業保証金の供託

供託をする場合には、はがきが届いたらすぐに営業保証金を供託しましょう。
供託が完了したら、供託済届出書を行政庁の窓口へ提出します。この手続きには期限がありますのでご注意ください。

保証協会に加入する場合には、すぐに協会に電話をして、免許通知が到着したことを連絡しましょう。
保証協会に加入する場合には、免許証の交付までもうしばらくかかります。この段階ではまだ営業はできません。

7.宅地建物取引業免許証の交付

供託の場合は、供託済届出書と引き換えに宅建業免許証を受領します。
保証協会に加入した場合は、保証協会からで免許証が交付されます。

免許証の交付を受けた段階で晴れて宅建業の営業を開始することができます。

宅地建物取引業許可申請サポート料金

サボート内容区 分料 金
宅建業許可新規
(法人、個人共通)
知事100,000円(税込110,000円)
大臣150,000円(税込165,000円)
宅建業許可更新
(法人、個人共通)
知事70,000円(税込77,000円)
大臣100,000円(税込110,000円)
宅建業名簿登載事項
変更届(届出事項による)
30,000円(税込33,000円)
宅地建物取引士
資格登録申請
30,000円(税込33,000円)

※ ご依頼いただいた案件によっては官公庁に納入する証紙代および申請手数料が別途必要となります。

※ 謄本取得手数料等の実費代が別途必要となる場合がございます。

Posted by 栗原誠