貨物軽自動車運送事業経営届出
貨物軽自動車運送事業は、軽トラック(バン・トラック)やバイク等(125cc超の二輪バイク等)を使用して、荷主の荷物を運送する事業をいいます。軽貨物運送業は荷主から比較的小さな荷物の運送する場合が当てはまります。
特定の荷主のために軽自動車を使用して貨物軽自動車運送業の事業を始めるには営業所を管轄する運輸支局長への届出が必要です。
このため、事業を始めるのに先立ち届出書を提出し、事業用の黒ナンバーを取得する必要がありますが、軽貨物運送業の開業手続きをみても、一般貨物自動車運送事業と比べてもかなり容易に始められます。
自宅を営業所・休憩睡眠施設として独立開業することができ、一般貨物自動車運送事業のような運行管理責任者・車両整備責任者の資格要件がなく、車両数も制限はなく軽トラック或いはバイク1台から始めることができ、比較的小資本で、一人からでも比較的容易に事業を開始することができます。
最近では、スーパー・デパートでのインターネット商品の配送、バイク便、小規模な引越しなど、様々な場面で利用されています。
貨物軽自動車運送業の事業を始めるための要件は大きく分けて6つです。
- 営業所・休憩・睡眠施設の要件
- 車庫の要件
- 車両の要件
- 適切な運送約款の設定
- 適切な運行管理体制の整備
- 損害賠償能力
1. 営業所と休憩・睡眠施設の要件
原則として営業所と休憩・睡眠施設は併設していることが必要ですが、併設できない場合、営業所と休憩・睡眠施設は車庫から2キロ以内までとすることができます。
賃貸でも自己所有でも構いませんが、適切な広さと使用権限があることが必要です。届出書に休憩・睡眠施設の床面積を記載します。
営業所と休憩・睡眠施設は都市計画法上の市街化調整区域と呼ばれる場所でないこと(一部例外があります)、
市街化区域にある場合は、建物を事務所使用できる区域にあること、
その他、建築基準法、農地法などの関係諸法令に抵触しないことが必要です。
証明書類の添付まで要求されておらず、自己申告という形式になり宣誓書を提出します。(貨物軽自動車運送事業経営届出書に宣誓書欄が設けてありますので、記名押印します。)
2. 車庫の要件
原則として営業所に併設していることが必要ですが、併設できない場合、営業所から2キロ以内までとすることができます。
車庫地として使用する土地が、都市計画法などに違反していないことが必要です。
車両を全て容易に収容できる広さがあることが必要です。届出書に車庫の面積を記載します。
土地の所有、借入の別は問いませんが、借入の場合は賃貸借契約又は使用承諾により土地の使用が確実なことが必要です。
倉庫やガレージなど屋根付き車庫(有蓋車庫と言います)の場合は、市街化調整区域と呼ばれる場所でないこと
その他農地法、建築基準法などの関係諸法令に抵触していないことが必要です。
証明書類の添付まで要求されておらず、自己申告という形式になり宣誓書を提出します。(貨物軽自動車運送事業経営届出書に宣誓書欄が設けてありますので、記名押印します。)
3. 車両の要件
軽トラックで1両から始めることができます。自己所有でなくてもリースやローンによる購入でも構いません。
事業に使用する車両の車検証上の用途欄が「貨物」となっている軽貨物自動車であることが必要です。
二輪車の場合は排気量125㏄超であることが必要です。
車体の両側に事業者名を表示するように定められています。
4. 適切な運送約款の設定
運送約款とは、貨物を運送する上での決まり事を定めた契約書のようなものです。
運賃および料金の収受並びに軽貨物自動車事業者の責任に関する事項等が明確に定められており、旅客の運送を行うことを想定したものでないものです。
国交省は標準貨物軽自動車運送約款を用意してます。独自の約款でもよいですし、この標準約款を代替することもできます。
5. 適切な運行管理体制の整備
軽貨物自動車運送事業の適切な運営を確保するために、運行管理等の管理体制を整える必要があります。具体的には、「運行管理の責任者」を営業所に置きます。
運行管理の責任者は、運行管理者(国家資格)資格保有者でなくても構いません。
6. 損害賠償能力
自動車損害賠償保障法等に基づく責任保険または責任救済に加入する計画、その他一般自動車保険の締結等十分な損害賠償能力を有すること(自賠責保険、自動車任意保険に加入すること)が必要です。
貨物軽自動車運送事業届出の必要書類
貨物軽自動車運送事業経営届出書 | |
運賃料金設定届出書 | 距離ごとの運送料金表(任意様式)を別に用意します。 |
運送約款 | 標準軽自動車運送約款例を使用する場合は不要です。 |
車検証 | コピーで可 |
事業用自動車等連絡書 |