戸籍の郵送による取得方法

2019年2月7日戸籍謄本

 相続人の戸籍を調査すると本籍のある役所が遠隔地にある場合あります。そのようなときは、郵送で取得されることが多いかと存じますが、どこの役所でも郵送で戸籍の請求をすることができます。

 役所の開設しているWebサイト上には、郵送請求用の申請書の書式があったりしますが、書式は役所ごとにまちまちで統一されておらず、役所ごとに異なります。

  戸籍の郵送申請の方法は全ての役所でやり方が異なります。しかし、大枠のやり方さえ覚えてしまえば大した違いはありません。準備する書類や情報もほとんどの役所が同じですのであまり心配せずに進めても大きな問題はありません。

 ここでは、戸籍謄本などを郵送で取得する郵送申請の方法をご紹介していきます。

準備するもの

申請先役所の戸籍謄本申請書

書式は役所によって異なります

書式がない役所は自作書式でも大丈夫です

特に、さかのぼって戸籍を取りたい場合は、「誰の」、「どの範囲」の戸籍を取得したいのか、分かりやすく、申請書に記載します

また、取得したい部分が載っている戸籍のコピー資料も用意しマーカー等で分かりやすくしておきます

役所から問い合わせがあるときもあるので必ず連絡先の電話番号は必ず記載しましょう

被相続人の死亡記載の戸籍死亡を証するため
申請人が相続人であることを証明する戸籍相続人の地位で申請するため 関係性がわかる戸籍のコピーを準備します
申請人の本人確認資料コピー免許証など
申請分の定額小為替ゆうちょ銀行、郵便局で買えます
往信・返信用封筒(レターパック) 封筒の場合は、切手の貼り忘れに注意しましょう

定額小為替

現金書留以外は現金を送付できないので、郵便局かゆうちょ銀行で、定額小為替を購入します。
 50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円の12種類の定額小為替証書を発行しています。発行手数料は1枚につき、100円かかります。

 所定の受取人欄に受取人のお名前を記入する箇所がありますが、何も記載せず役所にお送ります。

 普通小為替もありますが、役所では定額小為替を指定しているところがほとんどです。普通小為替は発行手数料が高いですし、戸籍等を複数とる場合でも、定額小為替を複数組み合わせて同封しましょう。

準備しておく情報

どの役所に申請すればいいのか手元の戸籍謄本で確認します
本籍所在地と筆頭者(戸主)名

手元の戸籍謄本で確認します

「誰」の「どの範囲」の戸籍を取得したいのか、役所の担当者に分かりやすく伝える資料も作成します

役所のどの課に宛てて郵送するか

申請先の役所HPで確認します

郵送受付専用の送付先が指定されている場合や郵送専用のセンターが設置されている場合もあります

戸籍と住民票の請求先が違う課の場合もあります

定額小為替の金額

申請先の役所HPで確認します

(戸籍謄抄本・除籍謄抄本は全国一律の金額ですが、戸籍の附票や告知書、住民票などは、役所により金額が異なりますのでHPで確認します)

さかのぼり戸籍を取得する場合は、送付前に取得できる通数が分からない場合が多いです

可能なら定額小為替を少し多めに同封するとよいですが、始めは最低必要金額分をまず送り、役所から不足分の連絡がきてから不足分を送付する方法もあります

トラブルを防ぐためにも同封した金額は分かるようにしておきましょう

上記の書類と情報を集めれば郵送で申請することが可能です。これらはどこの役所もほとんど変わりがありませんので、これを参考にして郵送先の準備を進めてください。

よくある疑問点

戸籍を見ても郵送先の役所、本籍所在地がわからない場合

申請書の郵送先は手元の戸籍を確認すると書きましたが、これはあくまでも戸籍を読み込めることが前提となっており、戸籍を見てもわからないことがあります。

市町村合併が繰り返して今どの役所が管轄であるのかが不明の場合

 地方の役所や役場でよくあることですが、近隣の市町村と合併を繰り返したり区制施行などによってどこの役所の管轄であるか分からないことがあります。

 これは意外にもよくある話で、相続手続きを進めていく上でこれがわからず挫折してしまう方も沢山いらっしゃいます。

 方法としては、Wikipediaを利用すると役所の歴史が判明したりします。
 それでもどうしてもわからない場合は、近くだと思われる近隣の役所や役場の戸籍課に電話で問い合わせるとよいと思います。

そもそも戸籍の読み方がわからない・読めない

 現在戸籍や改製原戸籍くらいまででしたら特に問題なく読めるかと思いますが、昔の手書きの役所では戸籍に記載されている文字が達筆であったり、字が擦れていたり、訂正印が押されていて読みにくかったりして、字を読み込むのも一苦労です。

 かろうじて読めたとしても本当にそこに申請していいのかがわからないことがありますし、町村合併でその役所がなくなってしまっていることがあります。

 これについては何とか手元にある戸籍を自分で読み込むか、戸籍の原本のある取得した役所に問い合わせて原本を見てもらい読めるか問い合わせてみてると解決できるかもしれません。
(ただし、既に役所の方でも古い除籍はスキャンしたものしか保存されていない場合もあります。)

戦争や大地震により焼失・紛失してしまっていて取得できない

戸籍は必ず全て揃うものとは限りません。戦争によって戸籍が焼失している場合もあれば大地震等の震災によって戸籍の行方がわかないこともあります。
 これについては、その焼失分より前の戸籍や他の情報から集めていくしかないかもしれません。
 ケースにより滅失証明書などを取得しておく必要もあります。

兄弟・甥姪の相続の場合はもっと集める戸籍が多くなります

親子相続の場合については被相続人である親の出生から死亡までの戸籍を集めていけばよいのですが、兄弟や甥姪、孫の相続の場合にはそれだけでは終わりません。

 親の出生から死亡までの戸籍を集めることはもちろん、その両親の出生から死亡までの戸籍を集める必要があります。(兄弟の人数を確定するため)
 養子縁組している場合は、養親の分も必要です。

 さらに、その兄弟が死亡している場合にはその兄弟の出生から死亡の戸籍を集める必要があります。
(代襲相続人の数を確定するため)

 また、親子相続の場合と違って父母の戸籍を出生から死亡まで集めなければいけないので、大正や明治の戸籍まで遡って集めていくことになるでしょう。昔になればなるほど市町村合併が多く繰り返していて、手書きの戸籍も読みにくいものとなっているはずです。

 ご自身で戸籍収集を始めようと決意されても、ご兄弟や甥姪の方が相続人となるケースでは途中で止まってしまうことがありえますので、無理をせずにはじめから専門家へお任せしてしまうのも一つの方法かと思います。

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Posted by 栗原誠